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ユニバーサルデザインの誕生に関する話

ユニバーサルデザインという概念は、アメリカのノースカロライナ州立大学で教授だったロナルド・メイス(Ronald Mace 通称:Ron)により、1985年に公式に提唱されました。

ロナルド・メイスについて

メイス氏はポリオの後遺症で車いすユーザーで、メイス氏の妻も同じく車いすユーザーでした。
メイス氏はもともとバリアフリー建築の専門家でしたが、様々な公共建築のバリアフリーを手掛けるうちに、「なぜ一般の建築や製品は若くて健康な人を対象に作られていて最初から誰もが使えるように作らないのだろう」という疑問を持ち、その思いを安全学や建築学の友人たちに伝えていきました。

アメリカ公民権運動

当時のアメリカでは性別、人種、年齢などによる差別をなくそうとする公民権運動が連綿と続いており障害による差別撤廃は最後の公民権運動といわれていましたが、1990年にADA法(障害を持つアメリカ人法)が成立し、障害による差別が禁止されました。このような動きとユニバーサルデザインの成立は深くかかわっていました。
障害を持つ人々が、社会の主流となることを望み、教育や就労、移動の自由などを保証されるよ社会的な制度や意識改革が行われていったのです。

最初からだれもが家族と一緒に社会参加し、人生を楽しめるようメインストリームに加わるという考え方を支援するユニバーサルデザインは、徐々に行政や社会デザインに関わる人々に認知されていきました。

ユニバーサルデザインセンター

メイス氏は1989年にノースカロライナ州立大学アクセシブルハウジングセンターを設立し、 これが後にユニバーサルデザインセンターとなり、メイス氏が初代所長に就任しました。
「『ユニバーサルデザインのちから』社会人のためのUD入門」 p143,144より抜粋

ユニバーサルデザインとバリアフリーとの違い

ユニバーサルデザインは、「年齢や能力、状況などにかかわらず、デザインの最初からできるだけ多くの人が利用可能にすること」が基本コンセプトになっており、デザイン対象を障害者や高齢者に限定していない点が「バリアフリー」とは異なっています。
これは、バリアフリーがさまざまな利用者を考慮せずにつくってしまい、結果として生じた障壁(バリア)を「後から除去する」という不合理を、「最初から誰にとっても使いやすいデザインで」解消するというロナルド・メイスの考えが反映されたものです。
欧米では、バリアフリーがかなり進んで後にユニバーサルデザインの考え方が提唱されたため、その違いは理解されやすかったのですが、日本国内においては「バリアフリー」が不十分なうちに「ユニバーサルデザイン」の考えが紹介されたため、両者はしばしば混同されており、ロナルド・メイスの考え方が必ずしも正しく理解されているとは言えない点もあります。
ユニバーサルデザインと同様の概念として、ヨーロッパにはDesign for Allという概念があり、英国からは、Inclusive Designも提唱されました。現在、提唱されているSDGsの中の”No one will be left behind"(誰も取り残さない)も、考え方としては近い概念といえます。
Wikipediaより抜粋